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秋山響のドバイ競馬リポート 2010 ドバイワールドカップ(G1) ![]() (C)Dubai Racing Club/Andrew Watkins 一方、前哨戦・G2マクトゥームチャレンジラウンド3を制し、一気に世界中のメディアの注目の的となったレッドディザイアは11着。スローペースに少しかかり気味になったことで、前走のように直線で爆発的なスピードを繰り出すことができなかった。やや入れ込み気味だったのは、レース直前に行われたセレモニー、特に花火の音に馬が興奮してしまったせいもあるかもしれない。 確かに、我々人間には素晴らしいセレモニーだったが、馬にとっては怖いだけだろう。最大のショーはレースであるべきで、そのレースに影響を及ぼしそうなイベントには賛成しかねる。 残念な結果になってしまったレッドディザイアだが、この結果は必ずしも馬の実力を示すものではないだろう。勝ったグロリアデカンペオンも、2着のリザーズディザイアも、3着のアリバーも前哨戦では差しきった相手なのだ。日本馬によるドバイワールドカップ制覇は、ダートからオールウェザーコースに変わったことで、その可能性をグッと増したように思う。 text by 秋山響
ドバイワールドカップ(G1)
3月27日(土) メイダン競馬場 2,000m(オールウェザー) 北半球産馬4歳以上、南半球産馬3歳以上 第8レース 21:45(日本時間:26:45)発走 14頭 賞金総額:10,000,000米$ 1着賞金:6,000,000米$
C.スミヨン騎手 「少しエキサイトしていたかもしれません。4コーナーでこれからエンジンがかかるというところで、他の馬に寄られて力が出し切れませんでした。前走負かした馬が上位に来ているだけに、今回の敗因が分かりません。厩舎スタッフがきっちり仕上げてくれたのに、この結果は残念です。」 松永幹夫調教師 「今回も前走と同じスローペースでした。ただ、前走は折り合うことができましたが、今回は力んでしまい、そのぶん最後伸びを欠いたのかもしれません。レース後の馬体に関しては問題ありません。次走についてはこれから考えます。」 2010 ドバイシーマクラシック(G1) ![]() (C)Dubai Racing Club/Andrew Watkins 直線、狭いところをこじ開けるようにして伸びてきたブエナビスタ。一歩ごとに、前との差を詰めたものの、先に抜け出したイギリス調教馬ダーレミに3/4馬身まで迫ったところがゴールだった。 ブエナビスタはこれが初めての海外遠征。そこで、これだけのパフォーマンスを見せたのだから立派だ。勝ち馬との差はスムーズにレースが進められたかどうかの差であり、実力差というわけではないだろう。ペリエ騎手が0.5kgのオーバーウエイトでの騎乗となったことも影響したかもしれない。 レース後には、ペリエ騎手の口から「凱旋門賞」というレース名が出ていたように、確かにブエナビスタは世界中のどのG1に出ても好勝負に持ち込めるだけの力を示してくれた。勝てなかったのは非常に残念だが、今後に向けて夢が広がる結果だった。 もうひとつ、このレースで印象的だったのは牝馬の活躍。実は勝ったダーレミ、そして4着のディームも牝馬なのだ。つまり、1、2、4着が牝馬だったわけだ。 ここのところ、一昨年の凱旋門賞馬ザルカヴァ、昨年の米年度代表馬レーチェルアレクサンドラ、昨年のG1BCクラシックの覇者ゼニヤッタと牝馬の活躍が相次いでいる世界の競馬シーン。ここもそのトレンド通りの結果となった。 text by 秋山響
ドバイシーマクラシック(G1)
3月27日(土) メイダン競馬場 2,410m(芝) 北半球産馬4歳以上、南半球産馬3歳以上 第7レース 20:35(日本時間:25:35)発走 16頭 賞金総額:5,000,000米$ 1着賞金:3,000,000米$
O.ペリエ騎手 「パドックで騎乗したときは非常に良い状態でした。4コーナーで他の馬が外に行くのは分かっていたので、少し待ってから内に入れました。最後は追いつきそうでしたが、勝った馬はそこから更に伸びました。この馬は今後、凱旋門賞も狙えると思います。」 松田博資調教師 「あそこまでいったら、もうちょっと何とかなったのではとも思いますが、これで十分です。ちょっとペースが遅かったですね。しかし終い伸びてくれたので、満足しています。ジョッキーにはリラックスして乗ってきてくれと指示をしていました。応援していただいたファンの皆様、負けてしまいましたが、今後も応援をよろしくお願いします。」 2010 ドバイゴールデンシャヒーン(G1) ![]() (C)Dubai Racing Club/Andrew Watkins 勝ったキンセールキングはアメリカからの参戦馬。オールウェザー6fの重賞を2連勝中で、前走のG2パロスヴェルデスHでは昨年のG1BCスプリントの覇者ダンシングインシルクスを下していた。今後、さらにG1勝ちを積み重ねていくことになるだろう。欧州遠征も計画されているようだ。 敗れたとはいえ、ローレルゲレイロはその走りで日本の芝スプリント王者のスピードを十分にアピールするもの。勝つまではいかずとも、ある程度の結果を残したことで、今後、日本の芝スプリンターがこのレースを狙ってくるケースも増えてきそうだ。 text by 秋山響
ドバイゴールデンシャヒーン(G1)
3月27日(土) メイダン競馬場 1,200m(オールウェザー) 3歳以上 第5レース 19:15(日本時間:24:15)発走 10頭 賞金総額:2,000,000米$ 1着賞金:1,200,000米$
藤田伸二騎手 「この馬は楽に逃げてどこまで粘れるかというのが本来の姿なのですが、ここ何走かはスタートからズブくなってしまっているように思います。オールウェザーに関しては、走りやすいと感じました。この馬本来の力が見せられなかったのは残念でしたが、日本のファンの方々の応援が間近で聞こえたのが嬉しかったです。」 昆貢調教師 「馬の状態は非常に良かったです。夜間の競馬ということもあり、スタートでは少し戸惑ったのかもしれません。4コーナーで勝った馬にかわされましたが、そこからまた良く粘ってくれました。自分の形で競馬はできましたが、4着というのは多少残念です。ただ、馬は良く頑張ってくれました。」 2010 ゴドルフィンマイル(G2) ![]() (C)Dubai Racing Club/Andrew Watkins もうひとつ、ダートの重賞勝ち馬であるグロリアスノアがオールウェザーをスムーズにこなして好走した点も大きな意味を持つ。 オールウェザーはこれまで芝馬に向いた馬場という評価が一般的で、ダート馬には不利と言われてきた。しかし、グロリアスノアの好走は、ここでいうダート馬とはいわゆるアメリカのダート馬を指すに留まるかもしれないことを示していそう。日本のダートとアメリカのダートは別物。前述の一般的な評価は日本では当てはまらないのかもしれない。 最後に勝ち馬について。勝ったカーミングインフルエンスのマームード・アル・ザルーニ調教師はドバイワールドカップ開催の数日前に、ゴドルフィンの第2専属トレーナーとして任命されたばかりの若手(33歳)。サイード・ビン・スルール調教師とともにゴドルフィンの馬を手がけることになる。今後もその手腕に注目だ。 text by 秋山響
ゴドルフィンマイル(G2)
3月27日(土) メイダン競馬場 1,600m(オールウェザー) 北半球産馬4歳以上、南半球産馬3歳以上 第3レース 17:55(日本時間:22:55)発走 14頭 賞金総額:1,000,000米$ 1着賞金:600,000米$
小林慎一郎騎手 「馬は初めての場所でもどっしりとしていて、心強かったです。道中、外から寄られはしましたが、影響はありませんでした。それでも最後に伸びてくれるところがこの馬の良いところであり、馬は頑張ってくれました。ドバイの空気に触れることができ、感動しました。十分にレースを楽しめました。」 矢作芳人調教師 「騎手はうまく騎乗してくれました。負けたのは仕方ありません。この馬は馬群に入れるほうが闘志を燃やすタイプなので、そのように指示しました。経験を積むために来たのではなく、挑戦することによって初めて得られることがあると思っていました。勝てなかったことは悔しいですが、4着という結果を得ることが出来たことは調教師冥利に尽きると思います。」
3月4日に行われた前哨戦・G2マクトゥームチャレンジラウンド3で鮮やかな追い込みを決めた「レッドディザイア」。逃げ、先行馬が最後まで粘る流れをものともせずに差し切ったその末脚は世界の競馬関係者に大きなインパクトを与えた。一叩きしての上積みも見込める今回はさらに良いパフォーマンスを見せてくれるだろう。日本馬初となるG1ドバイワールドカップ制覇も十分に期待できる。 最大のライバルとなりそうなのがアメリカからやってくる「ジオポンティ」。昨年はG1アーリントンミリオンS、G1マンノウォーSなど芝G1を4勝。芝で強いことは疑いないが、オールウェザーでも昨年のG1BCクラシックでゼニヤッタの2着となって、トップレベルにあることを示している。強敵になる。 一昨年の仏ダービー馬「ヴィジョンデタ」も有力候補。ここが昨年12月のG1香港カップ優勝以来の休み明けという点は気になるが、中距離なら確実に良い脚を使う。息の長い末脚はメイダン競馬場のタペタにいかにも合いそうだ。 もう一頭、有力馬を挙げるとすればイギリスの「ジターノエルナンド」。オールウェザーではG1勝ち(昨秋の米G1グッドウッドS)を含む4戦4勝と底を見せていない。 text by 秋山響
2010 ドバイシーマクラシック(G1) 3月27日(土) メイダン競馬場 2,410m(芝) 北半球産馬4歳以上、南半球産馬3歳以上 第7レース 20:35(日本時間:25:35)発走予定 賞金総額:5,000,000米$ 1着賞金:3,000,000米$
text by 秋山響
「ローレルゲレイロ」は昨年、芝のG1高松宮記念とG1スプリンターズSを制覇。今回は初のオールウェザーでのレースとなるが、オールウェザーでは芝馬が多く好成績を残しているだけに問題はないだろう。これが3度目の海外遠征でもあり、長距離輸送も心配なさそう。好結果を期待したい。 最大のライバルはシンガポールの「ロケットマン」。シンガポールの短距離路線では圧倒的な強さを誇る馬で、これまで9戦して敗れたのは香港のセイクリッドキングダムの2着に敗れた昨年5月のクリスフライヤー国際スプリントの1度だけ。その後、骨折して休養に入っていたが、今年2月には復帰戦を楽勝。能力に衰えがないところを見せた。 そのほかでは、昨年のG1BCスプリント4着馬で、前哨戦のG3アルシンダガスプリントでも2着となった地元ゴドルフィンの「ガイエゴ」、オールウェザー6fの重賞を2連勝中のアメリカ調教馬「キンセールキング」が有力。 text by 秋山響
2010ゴドルフィンマイル(G2) 3月27日(土) メイダン競馬場 1,600m(オールウェザー) 北半球産馬4歳以上、南半球産馬3歳以上 第3レース 17:55(日本時間:22:55)発走予定 賞金総額:1,000,000米$ 1着賞金:600,000米$
「グロリアスノア」はダートのG3根岸Sの勝ち馬だが、栗東のポリトラックではオールウェザー適性の高さをうかがわせるような良い動きを披露。能力的にはここに入っても、決してひけをとらないだけに、好勝負に持ち込めそうだ。 骨折明けにもかかわらず、前走・AW1200mのG3マハブアルシマールを制した地元ゴドルフィンの「デザートパーティー」が強敵。昨年はダートではあるものの1600mのG3UAE2000ギニーに優勝。距離にも実績がある。 もう一頭、前走、今回と同距離同コースのG3ブルジナハールを逃げ切ったイギリスの「キャットジュニア」も有力候補。欧州の芝ではG2で2着が2回あり、G1セントジェームズパレスSでも英愛2000ギニー馬ヘンリーザナヴィゲーターから3 3/4馬身差の4着。一線級に交じって善戦していた実力馬だ。 text by 秋山響
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