未来に語り継ぎたい名馬

●黒色の女傑。私の中で、まだこれを超える美しい馬は現れない(40代・男性)
●本当に強かった。今だに最強牝馬と思っている。中舘騎手の最強のパートナー(40代・男性)
●クリスタルＣでの最後の豪脚は、後世に語り継ぐべきでしょう(40代・男性)

いまだに語り草となる クリスタルＣでの豪脚

　まだクラシックがマル外に開放されていなかった１９９０年代半ばに活躍したアメリカ産馬。阪神３歳牝馬Ｓを５馬身差で勝利し、３歳時には重賞６連勝をマークした。桜花賞馬オグリローマンに完勝、オークス馬チョウカイキャロルにも競り勝ってエリザベス女王杯を制しているのだから「幻の牝馬三冠馬」と呼んでも決して過言ではないはずだ。有馬記念はナリタブライアンの２着、ランドが勝ったジャパンＣでも日本馬最先着の２着と、牡馬や世界的強豪に混じっても見劣りしない実力の持ち主だった。
　 いまでも語り草となっているのはクリスタルＣの豪脚。およそ届きそうもない位置から、届くはずのないタイミングで追い込んで、逃げ粘るタイキウルフを並ぶ間もなく交わし去った。残り１００メートルの標識からゴールまでの11～12完歩で見せた瞬発力は、競走馬としての極限だったのではないだろうか。
（文＝谷川善久）

映像	日付	開催	R	レース名	距離	芝・ダート	馬場状態	頭数	馬番	人気	着順	タイム	騎手	上り3F	1(2)着馬
	1993. 9.19	中山	6	新馬	1200	ダート	良	11	3	1	1	1.13.7	中舘英二	38.7	(ノボリリュウ)
	1993.10.24	東京	9	プラタナス賞	1400	ダート	良	11	10	3	2	1.26.3	江田照男	38.5	ミツルマサル
	1993.11.13	東京	11	京成杯３歳Ｓ	1400	芝	良	9	9	6	2	1.22.9	中舘英二	34.7	ヤマニンアビリティ
	1993.12. 5	阪神	11	阪神３歳牝馬Ｓ	1600	芝	良	15	3	2	1	1.35.9	中舘英二	36.5	(ローブモンタント)
	1994. 1. 9	中山	11	京成杯	1600	芝	良	8	1	1	2	1.34.2	中舘英二	35.9	ビコーペガサス
	1994. 1.30	東京	10	クイーンカップ	1600	芝	良	13	6	1	1	1.35.3	中舘英二	35.9	(エイシンバーモント)
	1994. 4.16	中山	11	クリスタルカップ	1200	芝	良	14	6	1	1	1.08.5	中舘英二	34.7	(タイキウルフ)
	1994. 6. 5	東京	11	ニュージーランドＴ４歳Ｓ	1600	芝	良	9	4	1	1	1.35.8	中舘英二	34.3	(マチカネアレグロ)
	1994.10. 2	中山	11	クイーンＳ	2000	芝	稍	11	7	1	1	2.02.9	中舘英二	35.8	(ジョウノバタフライ)
	1994.10.23	阪神	11	ローズＳ	2000	芝	良	15	8	1	1	2.00.0	中舘英二	35.3	(アグネスパレード)
	1994.11.13	京都	10	エリザベス女王杯	2400	芝	良	18	6	1	1	2.24.3	中舘英二	34.8	(チョウカイキャロル)
	1994.12.25	中山	9	有馬記念	2500	芝	良	14	8	6	2	2.32.7	中舘英二	35.2	ナリタブライアン
	1995. 7. 9	中京	11	高松宮杯	2000	芝	良	13	7	1	5	2.03.0	中舘英二	37.6	マチカネタンホイザ
	1995. 9.18	中山	11	オールカマー	2200	芝	稍	10	2	1	1	2.16.3	中舘英二	34.9	(アイリッシュダンス)
	1995.10. 8	京都	11	京都大賞典	2400	芝	良	13	8	1	1	2.25.3	中舘英二	34.6	(タマモハイウェイ)
	1995.11.26	東京	10	ジャパンカップ	2400	芝	良	15	12	2	2	2.24.8	中舘英二	34.7	ランド
	1995.12.24	中山	9	有馬記念	2500	芝	良	12	7	1	5	2.34.6	中舘英二	35.7	マヤノトップガン
	1996. 6. 9	東京	11	安田記念	1600	芝	良	17	10	4	10	1.33.9	中舘英二	35.4	トロットサンダー
	1996.11.10	京都	10	エリザベス女王杯	2200	芝	良	16	11	5	⑦	2.14.3	中舘英二	34.2	ダンスパートナー
	1996.12.22	中山	9	有馬記念	2500	芝	良	14	5	5	5	2.35.0	河内洋	37.0	サクラローレル